コロナ対策をストレスモデルから考える -2- その2
別のコーピング方法を手に入れるチャンス!
コロナウイルス問題は,誰かが悪いわけではありません。
政府でも,教育委員会でも,家族でも,ましてや家で暴れている子どもでもありません。
悪いのはコロナです!
ですから,「犯人捜しは,百害あって一利無し」です。
でも,コーピングがうまくいかないと余裕がなくなって,犯人捜しをしてしまいがち です。
なので,コーピングスキルは大事なのです。
では,どんなコーピングスキルを使うか。
問題焦点型コーピングは,今の状況では有効性に限界があります。
そうなると,情動焦点型コーピングスキルということになりますが,カラオケは×です。
スポーツをしたくてもジムは閉鎖です(私もいけなくなりました(T_T) 。
ニュースでは,「首都圏のパチンコ店が閉鎖になり,地方にパチンコ店を求めて遠征」といった情報が流れています。
ストレスの発散方法がパチンコだったのでしょうが,平時ならまだしも,この状況ではどうやらダメそうです。
これは,カラオケ,スポーツジム,パチンコといった,これまで役に立っていたコーピングスキルが使えなくなったということです。
ストレスはたまる。
使っていたコーピングスキルは使えなくなる。
さらにストレスがたまって,子どもや家族に当たって悪循環・・・・。
何としてもこれは避ける必要がありますね。
つまり,状況が変わる中で,私たちは,これまでの行動様式を変えることが求められています。
あたらしい情動焦点型のコーピングスキルが必要になった
ということです。
テレビの前で,親子でストレッチというのもOKですし,温泉に行かなくても,ちょっと高めの入浴剤を入れて普段の3倍ゆっくりお風呂に入って,浴槽にお花を浮かべたりするのもかなりGOODです。
深呼吸も実は相当によいことがわかっていて,アロマを買ってきて香りを楽しみながら,2~3分深呼吸するだけで,自律神経が整うことがわかっています。
料理の達人を目指すのもいいでしょう。
ZOOM飲み会も私の周りで流行中です。
背景を変えることができるので,みんなで桜の背景にして,バーチャル花見をしながらおしゃべりというのもおもしろいです。
ZOOMは無料で,スマホでも使えます。
お財布に優しく,お勧めです。
日本の教育は,「原因を見つけ,対策を考え,実行する」ことにものすごくフォーカスしています。
学校の先生方も,日本の教育はそうした偏りがあることに気がついていないのではないかと感じます。
問題焦点型コーピングは有益ですが,一方で,それがうまくいかなかったときに,鬱や他者攻撃に繋がる危うさを感じます。
世界には,情動焦点型コーピングを大切にする国も多くあります。
以前,海外にいたときに,「今日できることを明日に延ばすな」という教育を当たり前だと思っていた私は,
「明日できることをなぜ今日するんだ?」
と真顔で聞かれたときに,びっくりしました。
「そんなことより,せっかくこうやって出会ったんだから,今日は食事に行こう」と言われ,「それもそうだな」と思いました。
「べき」に縛られていた自分を自覚した瞬間でした。
普段できないことを「今がチャンス」と思ってやってみるのもよいかもしれません。
情動焦点型コーピングは,日本人はちょっと苦手です。
でも,実はとても大事です。
コロナ問題はストレスだけど,これは,新しい情動焦点型コーピングスキルを手に入れるチャンスかもしれません。
以下,まとめです。
① ネガティブな側面だけを見ない。
相手の頑張っていることを見つけて,ねぎらう。
そうするとよい関係が生まれます❤
② ネガティブな感情は,表出しても,反すうはしない。
③ 反すうしていることに気がついたら,思考をストップ。反すうをやめる。
④ 犯人捜しは,無意味か,むしろマイナス。
⑤ ネガティブな感情は,誰かと話して,整理したりする。カウンセリングも有効。
⑥ いろいろな人や組織に,過剰な期待はしない。
「ご苦労様」ぐらいに思っておきましょう。不平より感謝が生まれます。
⑦ ピンチは,新しい何かを獲得するチャンス,と見方を変える(リフレーム)。
⑧ 通用しなくなったコーピングスキルには,「しばらくバイバイ」
⑨ 楽しくなる方法を考えて,試してみる。
⑩ 楽しくなったり,達成感のある何かにチャレンジ。
⑪ 誰かと一緒に楽しむ。
ZOOMもOK。
ちなみに私は,長年の懸案の整理,断捨離,DIY(数年ぶり!)に取り組んでいます。
「小技の習得」も,小技なので大変ではないですし,「なるほど!」となって,ちょっとうれしい気持ちになります。
~おわり~
≪AISESは、フィリピンのストリートチルドレンをはじめ、困難な背景を抱えた子どもたちへの支援活動を行っています≫
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