【ブログ】教育新聞連載 第13回 「MLAで幼児教育」 執筆:佐藤博子

MLAで幼児教育

執筆:佐藤博子(元新潟市立沼垂幼稚園長 全国国公立幼稚園・こども園長会副会長)

 

幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培い、環境を通して行うものである。

今、その幼児教育の重要性について認識が高まっている。

とりわけ、幼児期に非認知的能力(忍耐力、やる気、自信、協調性、自己制御、自尊心など)を向上させることが、大人になってからの生活に大きな差を生じさせることが注目されている。

昨年同時改訂された幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領では、読み書きなど認知的能力のほか、この非認知的能力を向上させる教育的観点をもって、体系的で組織的な教育活動を展開することが求められている。

言うまでもなく、その実現のためには保育園・幼稚園・こども園での先生方の資質の向上は欠かせない。

 

また幼稚園等では、家庭との関係において他校種と比べて緊密度が高く、預かり保育や子育ての支援など教育課程外の活動も多くの幼稚園等で実施していることから、子育て支援を視野に入れたカリキュラム・マネジメントも大切である。

 

これらのことから、個人のパーソナリティを支え育てる視点と集団と社会性を育てる二つの視点をもつとともに,全人的成長プログラムとして多層的・有機的に統合されたプログラムであるMLAは、幼児教育に大きく寄与すると考える。

 

私は幼稚園長として現場勤務する中で、幼児の姿が従来とは異なり特に社会性の発達やコミュニケーション力に課題がみられること、保護者も子育てや家族関係等に悩み、不安定になっている実態を目の当たりにした。

社会の変化は子どもの発達や子育てをめぐる環境を複雑に変化させていることを改めて痛感したのである。

私はこの課題に対し、MLAを基盤にした園経営ビジョンを構築することが改善につながると考えた。

具体的には、個人の成長と集団の成長を促進する教育活動及び子育て支援を2つの柱として位置づけ、それぞれ一次支援・二次支援・三次支援の多層的な視点から具体的な手立てを計画的・系統的に講じた園経営ビジョンを策定した。

そして、職員はもちろんのこと保護者や地域ともこのビジョンを共有し、園経営を行った。

この実践により、保護者、職員、地域との信頼関係、協働意識が深まり、子どもたちの変容が促された。

 

MLAが新しい幼児教育の創造へ投げかける示唆は大きい。

 


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