【ブログ】 コロナ対策をストレスモデルから考える-1-その2

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コロナ対策をストレスモデルから考える -1- その2

 

4つの不安への対応について子どもと考えよう

大人の仕事はむやみに不安がることではなくて,こうした4つの不安について子どもたちに,きちんと考えることを教えるのが役割だと思います。

そこで,この4つの不安への対処について考えます。

 

(1)コロナの正体を暴こう

コロナウイルスの怖さを,白木公康先生という方がかなり詳しく解説されています。

リンク:日本医事新報社「緊急寄稿(1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のウイルス学的特徴と感染様式の考察(白木公康)」

 

怖い点は,

①エアロゾルと言われる呼気に含まれるウイルスも感染力を有すること,

②家具や取っ手などの物体の上では数日生き延びること,

③感染力がかなり強いこと,

などがあります。

 

ただ弱みもあります。

①乾燥に弱く,たった2メートル飛ぶ間に,だいたい死んでしまうということ,

(でも空気中でも3時間ぐらい生き延びることもあるので,油断は禁物)

②アルコールや次亜塩素酸ナトリウムと接触すると感染力を失うということ,

③感染力は強くても,手についただけでは感染させられないこと,

(目・鼻・口などに入らなければ大丈夫という言い方もできます)

 

「こわい・こわい」だけでは理性的な対応はできなくなります。

コロナの怖さを知ることと同時に,弱みも知ることで,過剰な不安を抑えることができます。

 

(2)自分と周りの人への影響をきちんと知ろう

自分の身体への影響はもちろんですが,自分が感染してしまうと,感染力が強いので,自分の親やおじいちゃんおばあちゃんにうつす可能性が大きい。

そうするとその人たちが入院したり,仕事ができなくなったり,重い場合は死んでしまったりする,ということを,現実的にイメージとして理解することが大事です。

年齢の低い子どもの場合は,発達段階的に他者の視点に立ってものごとをイメージするところまで成長していないので,「自分の身にどういうことが降りかかるか」という視点で話した方がわかる場合もあります。

イメージを持ってもらうために絵を使ったりすることは有効です。

 

(3)自分でできる対処方法を知ろう

三密=「密閉」「密集」「密接」はダメですが,「一密」でもダメです。

換気が悪い所や人が密集している所では感染は避けがたいと言われています。

自分がうつらないためだけではなく,うつさないために,一密をも避ける

その他に,

①口からの唾液や飛沫を飛散させない。そのためにはマスク!

みんながマスクをすれば,咳でも飛沫は飛ばないから,感染させる可能性DOWN!

*通常のマスクの目は3~5ミクロン,コロナウイルスは0.1ミクロンなので,ウイルスの侵入防止にはあんまり役に立たない。でも飛沫は相当に防げる。

②人の息は2メートル届かない。だから2メートル離れれば,うつさないし,うつらない。

③コロナは乾燥に弱い!なので,部屋は加湿じゃなくて除湿。

④接触感染が一番多い。なので,アルコールと次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)。

いろいろなところを拭いて,ウイルスをやっつける。

⑤目・鼻・口から感染する。なので目・鼻・口を触らないために,マスクやめがねは役立つ。

⑥手についたウイルスは洗えばOK。手からは感染しない。

つり革や手すりに触ったあとや,外から帰ったら,こまめでていねいな手洗い。

その上,アルコールを使えばばっちり。

⑦口の中に入ったウイルスは,ガラガラでやっつける。そのためには,こまめなうがい。

⑧家にウイルスを持ち込まない。そのためには,帰宅後にシャワーと洗濯。

⑨免疫力で勝つ!そのためには,よく寝て,よく食べる。

⑩のどの保湿は大切!そのためには,マスク・のどあめ。

 

「どうしよう,どうしよう」といっている人は,「どうするか」を考えればいいのですが,実は何も考えておらず,ただ,不安に振り回されて,「どうしよう」と言っていることがほとんどです。

考えて,対処方法が手に入れば,不安は低くなります。

 

(4)いざと言う時にどうすればいいかリハーサルしておこう

不安は心の内にあります。不安の解消は,それを心から外に引っ張り出して,不安の正体をつきとめること,つまり,「自分が何を不安に思っているか」を対象化して考えるとことから始まります。

たとえば,「どうしようどうしよう」は,「感染したらどうしようなんだ」と気がつくことで,一歩前進です。

さらに,それは「感染したらどこに助けを求めればいいんだろう」という不安であることに気づき,「保健所に連絡すればいいんだ。電話番号は自分のすんでいるところは,昼も夜も,○○○-○○○-○○○○で,その指示に従えばいいんだ。壁に貼っておこう」というところまでいけば,このことに関する不安はかなり小さくなります。

これは,視点を変えると,「ソーシャルサポートをGETする」ということでもあります。

自分で対処できないことが起こる場合を想定して,具体的にどんなソーシャルサポートを受ければ大丈夫かということをあらかじめ決めておくということです。

 

 

おまけ  大人の不安も考えよう

子どもと考えるコロナ対策を解説しました。

でも,大人も不安です。

それはコロナ自体への不安だけではなく,収入の減少や,将来設計,子どもの学力など,いろいろあると思います。

これだけ社会が攻撃的になっていると,「自分や自分の家族が感染したときに,差別されるのではないか」といった不安もあるかもしれません。

 

この場合も,冒頭のストレスモデルは役に立ちます。

①不安の正体は何なのか

②どんな影響が起こることをリスクと感じているのか

③自分ができるリスクへの対処は何なのか

④どんな支援を要請できるか,誰か助けてくれそうな人はいるか

 

こうしたことを,具体的に考えて,頭の中ででもいいですからやっておくことで,不安は小さくなります。

 

災害や大きな事件が起こる度に,私たちは,

①慣れ親しんだ方法が通用しなくなり,

②どうしていいかわからなくなり,

③なんだからからないけど不安になり,

④その不安に振り回されてパニックになったり攻撃的になったり,買い占めに走ったりします。

 

ですので,その逆をやればいいのです。

 

①不安に振り回されていることに気がついたら,ちょっと深呼吸して心を落ち着ける

②何に不安を感じているのか,どんな影響が生じることに不安を感じているのかを考える

③自分にできる対処は何かを冷静に考える。時には人にも相談する

④そのことを,「確かにこうすればできそうだ」というところまで明確にしておく

ということです。

 

そうはいっても,しばらくは不安な日々が続くと思いますが,こうしたことも少し参考にしてみてください。

 

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