コロナ対策をストレスモデルから考える -1- その1
先生方,保護者の皆さん,毎日、新型コロナウィスルの問題で大変な日々をお過ごしのことと思います。
学校も休みになったり、休みにならなかったり、そうしたことにも振り回されますよね。
コロナ自体の問題ではなく、政府の対応や、教育委員会の出す方針がよくわからないことでイライラされている方も多いのではないかと思います。
要するにストレスが溜まるわけです。
そこで、コロナの問題を少しストレスモデルから考えてみたいと思います。
ストレスってこんな風になっています。
4つの認知的評価
①「コロナの正体がわからない」という不安
以前、隣に住んでいた方が、車のヘッドライトをつけっぱなしにして駐車場に置いてあったんですね。
私が夜の10時位に家に帰ってきて、そのことに気がついて隣の家の扉をノックしたんです。
車があるので絶対に家にいるはずなんですけども、何度ノックしても全然応答がないんですね。
しょうがないので、「〇〇さん、車のライトがつけっぱなしですよー」と玄関の外から声をかけたんです。
そうしたらすぐにドアが開いて、「あー怖かった、こんな時間に誰なんだろうと思ったら怖くて怖くて扉を開けられませんでした。教えてくれってありがとうございます」と言われました。
たしかに考えてみれば,正体がわからないと不安です。
コロナウイルスも同じです。
原因はコロナだということがわかっているという意味では少しだけ安心ですが、そのコロナの正体がわからなければ,不安です。
②「どのぐらいの影響力があるのかわからない」という不安
コロナだとわかっても、「それがどのぐらいの影響力を持つのか」がわからないと,それも不安です。
今回,若い人たちが危機感なしにずいぶん出歩いているということが批判を受けていますけれども、「どうやら若年層はかかっても大したことがないらしい」と思った若い人たちは不安にならないので出歩くと言うことです。
ただ自分が悪くならなくても、コロナウイルスを持っていれば自分の家族やおじいちゃんおばあちゃんに移して、結果として,自分の家族や友人に移してしまって,その人を苦しめることになるという事まで想像力が至らないと言う問題があります。
どのぐらいの影響力があるかということをきちんと理解させることも大事です。
③「自分に対処できるのか」という不安
自分で対処できるとは,体力があるか、免疫力があるか、基礎疾患がないなどといったことです。
そうであれば,仮に感染したとしても,重症化する可能性は低くなります。
それを知っておけば,不安は低くなります。
今日、仕事で外出したのですが、高校生たちが時差通学をしていたため,普段はいない高校生たちが相当数電車に乗っていて,しかも楽しそうにおしゃべりをしていました。
「おじさんは怖いぞ」と思っていたのですが、言えませんでした。
いくら気をつけていても、すぐ隣で元気に話されていては、自分には対処にできません。
海外でアジア人と言うだけで、店から閉め出されたとかそんなニュースもありますけれども、対処できないという不安がそうさせているということです。
相手がまるでコロナの感染者のように見えてしまって,思わず攻撃的な行動に出てしまうわけです。
④「いざと言う時に助けてもらえるか」という不安
今、医療崩壊と言う問題がクローズアップされています。
これはまさに「いざと言う時にわれわれは助けてもらえるんだろうか、重症になったときに助かるんだろうか」と言う不安です。
アビガンが効くとか、ワクチンの開発に成功したとか、そういうことがはっきりしてくれば不安はぐっと低くなるでしょう。
しかしそれがない状態であれば、不安な状態はずっと続くと言うことになります。
≪AISESは、フィリピンのストリートチルドレンをはじめ、困難な背景を抱えた子どもたちへの支援活動を行っています≫
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