iPadを使いこなす幼児たち
執筆:広島大学 藤原 実樹
Mid-Pacific幼稚園での授業には,衝撃を受けました。
まだ拙い話し方をするような子どもたちが,iPadの使い方を学んでいるのです。
IT関係専門の先生が教室に来てパワーポイントにiPadの画面を映し出し,子どもたちに教えていました。
この日は,自分のアカウントを選び,パターンによるログインをする方法を繰り返し見せていました。
また,電池の残量はどのくらいか,日付を見るにはどうすればいいかなど,画面のどこにどんな情報があるかも確認していました。
やっていることは簡単ですが,日本とは大差があります。
話を聞くと,これからの時代にはスマホやネットなどのIT機器を使いこなすことは必須であり,その使い方を教えることも大切だから教えているようです。
やはり若い人のほうがIT機器には強いところはありますが,すべての教員が工夫しながらITを授業に取り入れ,子どもたちの興味を引いたり学習に生かしたりしていました。
別のある学校でもITを活用した授業を行っていましたが、「富裕層の場合は自宅にIT機器が豊富にあっても、経済的に厳しい家庭ではそうはいきません。
ITの活用能力が将来の就職や進路に大きく影響する時代ですから、学校でITの授業をやらないことは、経済格差を助長することになるということもなりかねません。そうした観点からもIT教育は重要です」とおっしゃっていました。
日本ではスマホやネットの使用を制限しようとする学校がとても多いです。
しかし,私たちが危険視するのはその使い方であり,正しい使い方や操作,ネットリテラシーを身に付ければ,メリットはとても多いです。
こうしたことを小さいうちから学ばせ,自分で考えて使えるようにしていくことも,子どもを危険から守り,成長を促す立派な教育だと感じました。