貧困の実態 ―コミュニティ訪問(2019年3月20、21日)から―
AISESがサポートしている施設で暮らす子どもたちは,元々はストリートチルドレンであり,貧困,虐待,薬物の使用などの理由でこの施設に保護されていますが,将来的には家族の元に帰る,または,自立できるようにすることを目的に施設での生活を送っています。
そのため,施設の中では生活スキルの獲得を目指し,洗濯,食事,清掃活動などを行っています。そして,今までは学校にも行っていなかった子どもたちが公立の学校に通うことができています。
今回,施設で生活する子どもの家族が住むコミュニティを訪れることができました。そこでは,日本では考えられないような生活環境が広がっていました。
ある子どもの家族は,9人の子どもと両親が写真のような光も差し込まない狭い部屋で生活していました。
こうした状態ですから,長男と次男は中1と小6の年齢ですが,学校には通えず,食事も十分にできず,7人の弟や妹の世話をする毎日で,事実上のネグレクト状態に置かれていたわけです。
この二人の兄弟は,結果として保護されることになります。
その結果,長兄は何の大会かははっきりわかりませんでしたが,レスリングで銀メダルを取るほどの運動能力を発揮するようになります。
家にはメダルが飾られていました。また,次男は,学校の成績はトップクラスで,施設の子どもたちをまとめるリーダー的な存在でした。
この子どもも,元々はこうした環境で生活していたとは全く考えられず,私自身なら,この子どものように学校に通い,勉強を頑張ることができないと思うからこそ,大きな衝撃を受けました。
傷ついた愛着を修復すること,また,逆境的な経験や環境でも適応的に生きていく力であるレジリエンスを育成していくことが,今回のこの施設での活動の目的ですが,この子どもたちは,そのことが可能なのだと言うことを示してくれていると感じています。
≪AISESは、フィリピンのストリートチルドレンをはじめ、困難な背景を抱えた子どもたちへの支援活動を行っています≫
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