ちょっと感動!総社の高校生たち
2月26日,総社市の研修会に行ってきました。その際に,昨年の7月の話を伺いました。
昨年の7月,西日本は豪雨災害に見舞われました。
その際最も被害が大きかった地域の一つが,私たちAISESが係わっている岡山県総社市で,広範囲の住宅への土砂流入や化学物質と水分の化学反応による工場の爆発など,甚大な被害がありました。ご記憶の方も多いかと思います。
そしてこの総社は,私たちAISESが「学力も大切だけれども,その前提として,“ 他者の痛みを理解できる,他者のために立ち上がることのできる”人間力の豊かな子どもを育てたい」という思いで,「だれもが行きたくなる学校づくり(通称,だれ行き)」を9年間にわたって展開してきた地域です。
そんな未曾有の豪雨災害に見舞われた翌日(というよりもほぼ当日),総社市ではある被災した高校生が総社の片岡市長に対して,
「片岡さん突然失礼します。これをみる暇はないかもしれませんけど・・・。
私たち高校生に何かできることはありませんか?配給の手伝いなどはできませんか?
何か出来るかもしれないのに家で待機しているだけというのはとても辛いです。
子どもだから,出来ることは少ないかもしれないです。
でも,ほんの少しでもできることはないですか?」
とツイッターで発信したところ,片岡市長がこれに「総社市役所に手伝いに来てください」と1分後に反応,結果として8日の朝には1000人もの高校生ボランティアが市役所に集結したのです。
当時は交通網も寸断されていましたし,総社市内の高校生は約2000名。
その中の,市内南部の高校生が他市に住む自分の友達なども連れ,総社市のために立ち上がったのだそうです。
被災状況がひどかった北部の方では,南部の高校生と同様に「自分たちで何かしたい」と立ち上がった高校生達が近隣の学校などに出向き,ボランティア活動にいそしんだそうです。
ある学校ではプールに土砂が流入し,先生方は「夏中の開始は難しい」とあきらめていたそうですが,高校生たちがプール内の土砂を全て掻き出し,夏中にプールを再開させることができ,記録会ができた・・・・など,活躍の話が尽きませんでした。
また,そんな高校生の姿を見て,中学生,小学生も自分たちに何かできないか,と,募金活動や市役所での荷物の仕分けなど,地域のために社会貢献する姿がみられたとのことでした。
総社市の片岡市長も後日ツイッターで「高校生ボランティア、よく頑張ってくれました。君たちの力は凄かった。ありがとう!」とコメントしています。
このことを報告してくれた校長先生は,「今回ボランティアに参加した高校生たちは,高校3年生は小4から中3までの6年間,高校1年生は8年間,“だれ行き”を体験してきた子どもたちで,その教育がなければ今回のように1000人を超える高校生が自主的に集まったり,小学生中学生も自主的に活動に参加したりするということは起こらなかったと思う。
やってきて良かった,私たちが信じて実践してきたことは正しかったと本当に思います」とおっしゃっておられました。
AISESの取組がこのような子ども達の豊かな姿に繋がったのだと思うと,本当に嬉しく思い,報告させていただきました。
当時の様子は総社市の片岡市長のツイッターや以下のWebサイトでご覧になれます。