「私のマインドセットの変化」
〜学習方略に焦点を当てた授業を通して〜
執筆:広島大学 品川 真穂
(ASSETSの説明は省略)
ASSETS SCHOOLでの授業観察では、私は、英語の授業を観察させていただきました。
内容は、精読する際の方略についてでした。
しかし、生徒たちの机の上には教科書がなければ、読むものもありませんでした。
机の上にあったのは、パソコンとプリントと筆記用具、そして精読をする際の手がかりを見つけるためのポイントが書かれたブックマークでした。
生徒は、パソコンで動画を見ながら、ブックマークを頼りに、プリントの質問に答えていきます。
プリントは、動画から手がかりを抽出し、その手がかりから言えることを予測するという構造になっていました。
動画という身近な題材を用いて、文章を手がかりを探しながら読み、見つけた手がかりを基にその文章が言いたいことを考えるという精読の方略を定着させる授業になっていました。
(ブックマークに記載されている精読方略は、「Notice & Note strategies for CLOSE READING」という本に紹介されているものです。)
私はこれまで、子ども達に学習支援を行う際に、子ども達の自立した学習を目指して、学習方略に注目してこなかったわけではありません。
しかし、子ども達がもっている方略を把握しながら、もっている方略を言語化して伝えたり、もっていない方略がもてるよう支援していったりすることに留まっていたように思います。
ASSETSでは、前提として学習方略をブックマークや教室掲示によって提示しており、子どもたちが常にブックマークや教室掲示に立ち返りながら学習に取り組めるようになっています。
子どもができること、できないことなどを「支援者がアセスメント」し、支援に繋げることが必要だと思っていましたが、それ以上に、「子どもたちが自分自身を把握できるようになること」が大切であり、それが可能となるように、あること、例えば精読、をするときには、精読をするための手がかりを見つけるためのポイントを示す必要があるのだと思いました。
そうすることで、子どもの自己理解が促され、また、一人一人に合った授業が教室の中で可能になるのではないかと思いました。