私たちが関わり続けている岡山県総社市は,6年前にマルチレベルアプローチに取り組み始め,今日までその実践を継続しています。

その成果の一端については,前回でのブログで紹介したとおりです。

 どうして学校や総社市教育委員会だけでなく地域全体をも巻き込んだ一連の取り組みに広がってきたのか,その背景について,「いじめをなくす、ケヤキの下で 94年、中3自殺両親が中学校に寄贈 岡山・総社」(平成28年5月27日付朝日新聞全国版)として掲載されました。

 この中で,「市教委は、いまの子どもたちは友達と向き合う時間が足りず、コミュニケーション能力や自尊心が育ちにくいと分析。栗原  慎二・広島大大学院教授の助言を受け、不登校やいじめは全ての子どもに起きうると考えて、2010年度から「だれもが行きたくなる学校づくり」を掲げた。幼稚園・保育所から中学校まで全ての子どもを対象に社会性を育む教育を始めた。」,「「悲しい顔」「落ち込んでいる顔」などを演じ、表情から感情を読み取る練習になる「SEL」という手法を使い、相手の気持ちを理解する力を身につける。中学生が小学生に、上級生が下級生に勉強や運動を教える「ピア・サポート」などで、相手の立場を考え、自分は役に立っていると実感する経験を重ねる。」と紹介されています。

取り組みの成果として,「09年度に3・17%だった中学校の不登校の割合は、14年度に1・97%に減り、注目を集めた。」と書かれ,「これまでに総社市での取り組みを視察した教育関係者は400人以上に上る。山形県米沢市岐阜市は、総社市の試みを参考にして改革を始めている。」と締めくくられています。(さらに,記事には掲載されていませんが,15年度には1.66%にまで減少。)

地域全体を巻き込んだ総社市での取り組みは,着実に子どもの意識を変え,大人の意識をも変えています。そして,その取り組みは,岡山県総社発として,全国に根を広げようとしています。

 この取り組みから,私たちが忘れてはならないコア(核)は,この保護者の言葉にあるのではないでしょうか。

「「今の取り組みは私たちの願いと同じ」。」

 

引用記事:朝日新聞デジタル(田部 愛記者)

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12378487.html?rm=150